2007年06月17日

古武道@神戸・松方ホールライブレポ

古武道の初ツアー、初日のレポです。
ネタバレ、満載です。
ライブまで見たくない人、ごめんなさい。
参加した人、メモもなく本人の記憶だけで書いてるので、違ってる所等があれば、ご指摘いただければ幸いです。


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古武道@神戸・松方ホール 2007/06/15 開場18時30分 開演19時


さて。どこから書き始めればよいのだろうか。
古武道の初ライブからもうすぐ丸一日になろうかというのに、いまだにまだあの音の余韻に浸ったまま、抜け出せないでいる。
初恋に出逢った少女のように、頬づえをついてはぼんやりとし、あのすばらしい音色を思いだしては大きなため息をついてばかり。
はっきり言ってこれは、日常生活に与える影響は最大級だ。
でも、この感動を何かに書きとめておかなければ、自然に風化してしまい、きっと私は後悔する。
なので、支離滅裂な文章になることを覚悟した上で、書きとめておくことにする。

あんなに「古武道の生はすごいよ」とさんざん噂で聞いていたし、期待も最大限に高まっていたというのに、古武道の3人(古川展生、妹尾武、藤原道山)はいとも簡単にその期待を大きく上回るステージを見せてくれた。
チェロ、ピアノ、尺八。
誰も思いつきもしなかった異色のユニットだが、これだけは間違いない。
古武道は、最強のユニットだ。

【開演前】

東京都交響楽団主席チェロ奏者の古川展生。
作曲家・編曲家であるピアニストの妹尾武。
邦楽界の第一人者である尺八奏者の藤原道山。

それぞれの名前の漢字を一文字ずつ抜き出して命名されたユニット「古武道」。
会場である神戸・松方ホールは、それぞれのファンでごった返していた。
それぞれ、ソロでこの会場を満員にできるだけの動員をもつのだから、それも当然のことか。
来場者の年齢層も幅広く、文字通り、老若男女が開演を心待ちにしている。
物販コーナーでは、古武道と各自のソロのCDとが所狭しと並べられている。
いづれかのCDを購入すると、終演後にサイン色紙がもらえる握手会があるというので、物販コーナーは人だかり。
サイン色紙には、3人の写真までプリントされているので、これはぜひとも欲しいところ。
私も、唯一持ってなかった古川さんのCDを1枚購入し、自分の席に向かう。

私の席は、1階最前列のほぼ真ん中。
実は昨年の同じ時期、藤原道山さんの「かざうた」ツアー初日もこの会場のほぼ同じ席で見ている。
相変わらず、ステージとの距離が近くて、早くもドキドキしてしまう。
ステージには、下手にピアノ(スタインウェイ製)、センターに尺八を並べる台と尺八の音を拾うであろう小さなマイク、上手にはチェロ奏者用の椅子と譜面台。
尺八とチェロの後ろには、それぞれモニタ用のスピーカーが置いてある。
会場内のほとんどの座席はすでに埋まっていて、穏やかに開演を待っている。
やがて、客席の照明が消え、ステージの照明がより際立つ。

【第1部】
ステージ下手のドアが開き、チェロを抱えた古川展生さん、尺八を抱えた藤原道山さん、妹尾武さんが登場。
白い模様の入った白いオーバーシャツに黒のパンツの古川さん。
薄いピンクのストライプに淡い青紫で花模様をあしらったような開襟シャツに黒のジャケットとパンツの道山さん。
薄いカーキ色っぽいジャケットとパンツに淡い色のシャツとシャンパンゴールドのような色のネクタイと軽く茶系がかったハンチングを被った妹尾さん。
期待のこもった大きな拍手に深く一礼して、各自セッティング。
よく見ると、尺八をのせる台は2台あり、一部が重なるように置かれている。
その上に、大小8本の尺八を並べている。
やがて、準備のできた道山さんがピアノとチェロにちらりと目線を送るが、まだ古川さんが譜面を確認している。
妹尾さんも何やらごそごそしていると、古川さんのスタンバイが整い、3人がそれぞれアイコンタクト。
そして、道山さんの呼吸に合わせるかのように、演奏が始まる。

1 WATER ISLAND
2 SASUKE

1曲目は、アルバム『KOBUDO-古武道-』の1曲目でもある『WATER ISLAND』。
尺八の澄んだ音色が会場に響きわたり、チェロの優雅な音色がそれを包みこみ、やわらかなピアノが見事な一体感を作り上げる。
なんて贅沢な音楽だろう。
2曲目は、妹尾さんが「古武道のテーマ」という『SASUKE』。
私が個人的に一番好きな曲でもあり、この曲のもつ疾走感は何度聴いてもたまらない。
生で聴くと、その疾走感はよりすばらしく、呼吸することすら忘れてしまいそうになる。
2曲を続けて演奏すると、各自マイクを持って立ちあがり、挨拶。
「こんばんは。古武道です。」と挨拶する妹尾さん。
「一番最初の『古武道です』っていう挨拶は3人揃って、って言ってたのに」と古川さんがちょっとすねたように言い、会場は笑いに包まれる。
「いや、ほら、今回初日が神戸で、僕の地元じゃないですか。すんごい緊張してるんですよ」と弁解する妹尾さん。
確かに、ソロの時より相当緊張している様子の妹尾さん。
特に『SASUKE』は普段のソロでは演奏されないような早いテンポの楽曲だし、3分8秒からのピアノソロは圧巻なので、余計に緊張していたのかもしれない。(誤解のないように付け加えるならば、もちろん、演奏はすばらしいものだった)
「古武道っていう名前は3人の名前からつけたので、まず自己紹介しましょう」と妹尾さんが促し、
「古武道の『古』、古川展生です」
「古武道の『武』、妹尾武です」
「古武道の『道』、藤原道山です」
と、各自で自己紹介すると、それぞれに大きな拍手が送られ、3人も少し落ちついた様子。
「古武道という名前でのコンサートは初めてだけど、実は以前からお互いのコンサートで一緒に演奏してたんです」と妹尾さんが説明。
「去年の夏は、九州の佐賀から鹿児島までツアーしましたよね」と道山さん。
「みんなでミニバンに乗ってね。」と妹尾さん。
「ちょっとしたバス旅行みたいで」
道山さんが千住明さんに妹尾さんを紹介されたちょうどその頃、妹尾さんと古川さんが久しぶりの再会を果たしたのがきっかけで3人が出逢ったそうで、
「せっかくだから、と千住明さんにお願いして作っていただいたのが1曲目の『WATER ISLAND』」なのだとか。
「このアルバムは、今年の1月から2月に録音したんですけどね。すごく気の合う3人なんだけど、スケジュールはなかなか合わなくて大変でしたね」と笑う道山さん。
「深夜2時とか3時とかまでやってたから、明くる日は大変でしたよ」と当時を振りかえる古川さん。
「オーケストラの人って、朝早いもんね」と説明する妹尾さん。
「ええ。公務員みたいですよ」と笑う古川さん。
深夜までのタイトなスケジュールでのレコーディングながらも、楽しげな雰囲気が伝わってくる。
アルバム制作にあたり、各自1曲ずつオリジナル曲を作ることになったと語る。
「オーケストラって、最近ではプレイヤーは作曲しないんですよ。だから、初めて作曲しました。」と古川さん。
実は、クラシックらしさにこだわりすぎてしまい、かなり苦心なさった様子。
一方、「ほかの2人が絶対に作らないような曲を作ろうと決めてた」と笑う道山さん。
「普段から(作曲は)やってるからお手のものでしょ?」と古川さんに言われて「いやいや」と照れる妹尾さん。
道山さん曰く「3人が演奏するためのアレンジはほとんど妹尾さんにお願いした」そうだ。
まったくもって、スゴイ人たちである。
このタイミングだったかは定かではないのだが、「何が緊張するって、しゃべるのは緊張するんですよ」と話す古川さん。
確かに、道山さんと妹尾さんに比べると少し口数は少ない様子。
「楽屋でね、この2人はあれこれ練習してるんですよ。何をしゃべろうかって。でも、ここでは全然関係ない話してるし」と笑う古川さん。
「では、気を取りなおして次は…」という道山さんに、「気を取りなおしてってどういうこと?」と笑いながらツッコミを入れる古川さん。
「そうそう、なんだかさっきの演奏がイマイチだったみたいじゃない」と妹尾さんまでツッコんで会場も爆笑。
道山さんも笑いながら、「では、気分も新たに、次は3曲つづけてお聞きください」と曲紹介。

3 Best Friens
4 瀧〜waterfall〜
5 My Little Songs

妹尾さん作曲の『Best Friend』、道山さん作曲の『瀧〜waterfall〜』、古川さん作曲の『My Little Songs』を続けて演奏。
『Best Friend』の演奏では、CDに収録されているあの打ちこみの音が鳴っていた。
ステージの上を見ると、妹尾さんのピアノの向こうにケーブルが見えるが、私の席からでは何が置いてあるかまでは分からない。
ただ、生楽器の音に打ちこみの音が加わって、そのことには誰もが気付いただろうけど、思わず構えてしまうような違和感はなくて、「あぁ、打ちこみの音も使ってるんだなぁ」と一瞬思った程度。
道山さんや古川さん用のモニタ(スピーカー)が客席側を向いていたので、ちょうどその音がステージの上で鳴り響いていたので、最前列ではよく聴こえたのかもしれない。
もちろん、後ろの方で聴いてらっしゃった方は、違う印象を持たれたかもしれないけれど。
『Best Friend』では、全くの個人的なイメージだが、両手を広げて青く高い空の下を風に乗って飛んでいる鳥のようなイメージが浮かび、会場の中にいるはずなのに、心を大きく解き放ったような心地よさを感じた。
道山さんの楽曲『瀧〜waterfall〜』では、長い長い尺八を使っていたので、どうやったらあの指が届くんだろう?と思わず凝視してしまい、尺八の穴が必ずしもまっすぐ並んでるわけではないという初心者的発見をして個人的に納得したり。
一方、チェロって弓で弾くだけでなく、指で弦を弾いたりもしていて、そうすると全然違う音色になるというこれまた超初心者的発見で感嘆のため息をついたり。
尺八とチェロの演奏を同時に間近で見ることなんて初めてなのだけれど、どうしてこんなに違和感がないのだろう?
個人的には、三味線と尺八という組み合わせより、よりナチュラルな気がしてならない。
もっとも、演奏者によってその音色も変わるので、誰でも…というワケにはいかないのだろうけれど。
昨年、尺八の演奏会でゲストのピアノ、というスタイルでの演奏を初めて聴いた時は、演奏している道山さんがピアノの妹尾さんにちらりちらりと視線を送っていたのだが、今回は少し違った。
もちろん、必要な部分でのアイコンタクトは3人それぞれにとっているのだけれど、どこか違う。
そして、ふと気付いた。
古武道は、3人それぞれがメインなのだ。
メインの演奏者とゲスト、ではないのだ。
指揮者のタクトに合わせて演奏するオーケストラではなく、あくまでこれはバンドなのだ、と一人で納得。
あとは、重なりあう音の波にゆらゆらと揺られて、本当に心地よい。
演奏のテクニックも当然すばらしいのだろうが、その演奏を聴きながら目を閉じて身をゆだねると、本当に贅沢だ。贅沢すぎる。
特に、チェロの音色があまりにも心地よくて、気持ちがとろけていくようだ。
3曲の演奏が終わると、大きな大きな拍手。
それぞれの楽曲を演奏したことで、3人の表情も心なしか晴れやかに見える。
「僕らのコンサートは1部、2部に分かれていて、1部は次の曲が最後です。」と妹尾さん。
え?もう第1部が終わるの?さっき始まったばかりなのに…と思ってしまった。
妹尾さんが「初日が神戸なんでね、せっかくだから神戸にちなんだ曲を…と思ったんですけど、『そして神戸』じゃねぇ…」と言うと会場中が大笑い。
「僕らのアルバムから『tonight』という曲を」

6 Tonight

私が勝手に夜の港町のイメージを持っているこの曲。
ゆったりとしたテンポで、ひたひたと音の波に身体ごと満たされていく感じが、たまらなく心地よい。
演奏を終えると、立ちあがった3人は、大きな拍手に送られて、下手のドアの向こうへ。


【休憩】

「これから休憩に入ります。休憩時間は15分です。」という場内アナウンスが流れる。
観客の多くが席を立っているようだが、すっかり音楽に浸ってしまって席を立てない。
私の左右にそれぞれ座ってる方たちも同様なのか、最前列の真ん中のブロックは誰も席を立ってない。
2列目に座っていた友人が顔を見せにきてくれたが、「大丈夫?」と笑われてしまうほど私はチェロの音色に浸ってしまっている。
そのとき、私の左側に座っている2人の女性が、以前、妹尾さんのコンサート会場でお会いした方だちだとわかり、2列目の友人を交えて4人でしばし談笑。
2列目の友人いわく「妹尾さん、譜面が紙じゃなくて電子化されてるよ」というので、ようやく立ちあがり、見に行ってみる。
すると、ピアノの譜面台に乗っているのは、いわゆる縦型の薄型モニタ。
おそらく、ここに譜面が表示されるのだろうが、休憩中なので電源が入っていなくて、どんなふうに表示されるかまでは分からない。
ふと、目をやると、ピアノの左側(客席から見て奥のほう)に小さなテーブルが置かれ、その上にノートパソコンがあった。
おそらく、先ほどの打ちこみの音はこのノートパソコンからだろう。
ということは、妹尾さんは今回、ピアニスト兼マニピュレーターなのだ。
自分の席に戻り、3人に見てきたものを報告。
2年前に、兵庫県の養父市で古武道のメンバーでのコンサートがあったのだが、隣りの席の方がそのコンサートを見に行ったということで、「遠いですよね」「電車の乗り継ぎを考えたら帰れなくなりそうなのであきらめた」「私はクルマで3時間かけて行きましたよ」など盛りあがる。
そうこうしているうちに、第2部開演のベルが鳴る。


【第2部】

客席の照明が落ち、ステージ上の明かりだけがともる。
ただ、第1部のような全体を上から照らすような照明ではなく、間接照明に近いような雰囲気。
ステージの下手のドアが開き、古武道の3人が登場。
3人とも衣装が一新している。
古川さんは、履きこんだ雰囲気のジーンズに黒いシャツのすそを出している。
道山さんは、ブルージーンズに真っ白い糸で大きく刺繍が施された白いシャツ。(シャツのすそはジーンズにイン)
妹尾さんは、白いジャケットに履きこんだジーンズ。(ジャケットの下は白いシャツだった気がするのですが、記憶が曖昧で…)
第2部を待ち焦がれた客席からは大きな拍手。
客席に深く一礼して、それぞれセッティング。
道山さんは、6本の尺八を手馴れた様子でならべている。

1 鳥の歌
2 Adagio Sostenuto〜ピアノ協奏曲第2番第2楽章〜

尺八の音は、本当に奥が深い。
音域によって、表情や音色までがらりと変わる。
道山さんの尺八を生で聴くのはまだ2回目なのにこんなことを書くには大変おこがましいことなのだが、本当にそう思う。
もちろん、道山さんのテクニックによるところが大きいのだろうけれど、目を閉じて聴いていると、奏者が何人いるんだか、分からなくなってくる。
しまいには、ホントは尺八以外の楽器も使ってるんじゃないのか?と思えてしまうくらい。
2曲を続けて演奏した後、古川さんが2曲を紹介。
「僕らの基本はクラシックなので、あえてラフマニノフなんかも・・・」というと、「僕は、ラフマニノフが好きでね…」と熱く語る妹尾さん。
こういうやりとりも、古武道ならでは。
きっと、3人とも、クラシックとかポップスとかジャンルに関係なく、音楽が好きなんだ。
「いつもはソロでやってる3人なんで、せっかくだからソロも聴いていただきましょう」と妹尾さんが切りだす。
「順番は?」
「じゃいけんで」
「じゃいけん?じゃんけんじゃないの?『い』なの?」
と妙なところで盛りあがる3人。
本当に順番は決まってないらしく、ステージの上でじゃんけんをはじめる。
「負けた人から順にやる?」と、なんだか罰ゲームの順番を決めているかのようなやりとり。
まず、道山さん1番に勝ち抜け。続いて、古川さん。
トップバッターとなった妹尾さんは、「僕は演奏だけでなく、ドラマとかの音楽もやらせてもらってます。2年前のちょうど今ごろ、『いま、会いにゆきます』というドラマの音楽をやらせてもらってまして。そのテーマ曲の『River of Dreams』を。」
2番手の古川さんは、「では、僕はチェロ無伴奏組曲第6番を。」
3番手の道山さんは、「尺八といっても、古典だけじゃないので、現代曲で『芬陀』(ふんだ)を。」


3 River of Dreams(妹尾武ソロ)
4 チェロ無伴奏組曲第6番(古川展生ソロ)
5 芬陀(藤原道山ソロ)

『River of Dreams』は、個人的に何度も聴いた曲なので、なつかしい。
この曲を聴くと、雨の風景が浮かぶのは、ドラマのせいだけじゃない。
古川さんのソロは、まさにチェリスト!といった演奏。
このすばらしさをうまく言葉で表現できないのがもどかしい。
道山さんの尺八もそうだ。
昨年見たときとは違い、スタイリッシュな印象なのは、やはり古武道だからか。
ソロコーナーの演奏を終えると、「実は今回、それぞれのHP上でリクエストを募集しまして」と道山さん。
すると、下手からスタッフがA4サイズの用紙の束を妹尾さんに手渡す。
「たくさんリクエストをいただいたんですよ」と言いながら、古川さんと道山さんに「じゃ、これ読んで」と1枚ずつ手渡す。
古川さんが読み上げたのは、『情熱大陸』へのリクエスト。
「この曲は、葉加瀬さんのコンサートで聴いてください」と言って会場は大笑い。
道山さんが読み上げたリクエストには質問も書かれていて、「マイペースのAB型の古川さんと妹尾さんに囲まれて、A型の道山さんは大変じゃないですか?」とあり、これまた大爆笑

「そうなんですよ。2人はAB型なんですけどね、3人とも結構マイペースなんで、大変ってわけでもないですね。辛かったら、続いてませんし」と笑いながら答える道山さん。
妹尾さんも1枚読み上げたものの、「しっとりした曲へのリクエストが多かったんだけど、ちょっと明るい感じの曲がいいよね」。
すかさず、古川さんが「それって、今紹介した3曲は演奏しないってこと?この3人、もしかして私かしら?ってすごく期待してたと思うよ」とツッコむ。
そうして妹尾さんが紹介したのは『琥珀の道』へのリクエスト。
2年前、養父市でのコンサートで初めて古武道の演奏を聴いた方からのリクエストで、お母様と一緒に今日のコンサートに行くのを楽しみにされていることが書かれてあった。
このコンサート、実は古武道の3人にとっても思いで深いものらしく、終演後、姫路まで戻ってきたのが深夜でそのまま姫路に宿泊。
そこで、お酒を飲みながら熱く話しこむうちに3人はより意気投合し、ホテルに戻って部屋飲みまでして盛りあがったそうだ。
「琥珀の道」は、道山さんのオリジナル曲で、養父市でのコンサートでも演奏された曲。
前日に梅雨入りしたものの、当日の開演時間にはすっかり雨もあがっていたので、イメージぴったりだ。
「では、『琥珀の道』、お聴きください」

6 リクエストコーナー〜琥珀の道

尺八とピアノで聴いた時もいい曲だと思ったけれど、チェロが入ると世界が広がる。
これぞ、まさしく古武道らしい。
演奏を終えると、「実はね、プレゼントがあるんです」と妹尾さん。
「リクエストをくれたトモコさん、どちらにいらっしゃいますか?」と会場に呼びかけ、ステージに上がってもらう。
妹尾さんから道山さんにポスターが手渡され、「3人でサインしたポスターです」とトモコさんに手渡され、会場から拍手。
ポスターには3人それぞれのサインのほか、「古武道」の文字の横に「@KOBE」と書かれ、その下に神戸市のマークである錨(イカリ)のマークまで。
こ、細かい!
さらに、妹尾さんから「海の風の香りのお香です」とプレゼント。
そして、第2部最後の2曲。
「この『My Favarite Things』は、アルバムには収録されてないんですが、先日出演したラジオ番組でも演奏したんです」と古川さん。
「それと、アルバムの最後にも収録されているモンゴルの曲で『Dagula』の2曲、お聞きください」

7 My Favarite Things
8 Dagula

コンサートとは生物(なまもの)、だとつくづく思う。
同じセットリストであっても、同じコンサートは二度とない。
高音質の音楽を聴きたいのなら、CDでもこと足りるだろう。
しかし、コンサートで生の音楽に触れなければ伝わらない何かがあるのも確か。
自室のコンポや、移動中のヘッドフォンで聴く音楽とはまた違う何かが、確かにここにある。
なんてことをぼんやり考えていた。
いや、考えるというほどしっかりしたものではなくて、感じてたといったほうがしっくりくるかもしれない。
ホントにこのコンサートを聴けてよかった。
演奏を終えると、立ちあがった3人は客席に深く一礼。
古川さんはチェロを、道山さんは最後に使った尺八を1本だけ持って下手のドアへ。
当然、客席からの拍手は鳴り止まない。


【アンコール】

それぞれにめいっぱいの拍手が、やがて一つにまとまった頃。
再び、古武道の3人がステージに登場。
「ありがとうございます」と深く一礼。
道山さんが「今宵は新月です。月にちなんだ曲がアルバムにありますので、それを。『朧月夜』」


1 朧月夜

新月ということは、本当は月の姿は見えないはず。
なのに、なぜだか、ぼんやりと浮かんだ月に照らされているような気分になる。
そうして、演奏を終えると、再び客席にお礼の言葉を残し、3人は下手のドアに去っていった。


【終演後】

客席の電気が灯ると、一斉に観客が出口に向かう。
CD購入者へのサイン色紙は先着順なので、みんな焦ったのだろう。
私は演奏に酔いしれてぼんやりしたまま、友人に連れられてごった返しているロビーへ。
すると、すごい勢いで飛びだしていった最前列のご夫婦、なんと握手会の1番前に並んでいらっしゃる!すごい!
友人に連れられて行列に並んだものの、まだぼんやりとしたままの私。
あんまりぼぅっとしているものだから、友人に散々冷やかされるものの、なかなか現実に帰れない。
列が少しずつ進んで、ようやく3人の姿が見えるところにきた。
手前から、妹尾さん、古川さん、道山さんの順に並んでいる。
また少し列が進んで、3人が握手しながら話している声が聞こえてきた。
そうだ、手紙を書いてきたのにすっかり忘れてた。慌ててカバンの中から取りだすと、握手会のテーブルまであと少し。
あたふたして、わずか2段ほどの階段を踏み外しそうになる。
自分の番になっても、まだふわふわしてて上手くしゃべれない。
妹尾さんが「あぁ、いつもありがとう」とにこやかに手を差しだしてくれたのに、焦って手紙を差しだしてしまう。
ホントに、自分で何をしゃべったか覚えてないなんて初めて。
それでも、妹尾さんはにこやかに声をかけてくれて、握手してくれた。
その様子を見ていた古川さんも、にこやかに握手してくれたが、やはりちゃんとしゃべれない。
「まだどっぷり浸かってて、なにをしゃべればいいのか言葉が出てこないんです」というと、「じゃ、僕は黙ってて余韻に浸ってもらってたほうがいいね」と古川さんに笑われてしまった。
アタフタしている姿は道山さんにもしっかり見られていたようで、にこにこしながら握手してくれた。
「すごくよかったから、絶対にこの3人で続けてくださいね」とようやく言うと、道山さんも古川さんもにっこり笑って「ありがとう」と言ってくれた。


ようやく、ここまで書き上げられた。
書き上げたのは、終演2日後の夜。
けれど、実はまだ、余韻の中にどっぷり浸かっている。

古武道。

やっぱりただ者じゃない。

posted by 薫 at 22:45| Comment(0) | TrackBack(3) | ライブレポ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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